
2022年08月17日
こんにちは、トレーナーの疋田です。自由が丘で40~60代専門のプライベートジムを運営しています。
「転ばないためにできることは何?」というお悩みをすっきり解決する記事を書きました。
と言うことで、この記事のテーマは『転ばないためにできること』です。
紹介する方法を実践してもらうと、転倒のリスクが下がるだけでなく、より健康的な体を手に入れられます。筋力や体力がつくだけでなく、生活習慣病の改善や予防など様々な嬉しいメリットも…
簡単にできる対策が多いので、できることから始めてください。骨折をしたくない、入院生活や手術なんてしたくない方、必読です!
*長文なので目次だけで記事のポイントが分かるようにしました。全体像をつかんで、興味のある部分だけでも読んでください。
目次
1 転ばないための8つの具体的な対策【60代~】
1:つまづかないために、足腰の筋肉を鍛える
2:つまづかないために、股関節を柔軟にする
3:歩きやすく、すべりにくいスニーカーを履く
4:転ばないように常に注意しながら歩く
5:両手に荷物を持たない
6:遠慮なく手すりを使う
7:脚立やイスなど不安定なところに登らない
8:動きやすいように、ムダな脂肪を燃やす
2 60代以上の方が転んでしまった時のリスク
1:利き手を骨折して、生活が不便になる
2:肩関節を痛めて、手が上がらなくなる
3:大腿骨を骨折して、手術→入院になる
3 まとめ
転ばないための8つの具体的な対策【60代~】
つまづく回数が増えたり、転んでケガをした人の話を聞いたりすると「転びたくない」と考えるのではないでしょうか?特に足腰の筋力が低下して、反射神経が衰える60代からは転倒のリスクが上がります。
『転ぶ=大したことない』と考えがちですが、骨折をして手術をするケースは珍しくありません。転んでからでは遅いので、早めに対策をしておきましょう。
転ばないための8つの対策は、
1:つまづかないために、足腰の筋肉を鍛える
2:転ばないように、股関節を柔軟にする
3:歩きやすく、すべりにくいスニーカーを履く
4:転ばないように、常に注意しながら歩く
5:両手に荷物を持たない
6:遠慮なく手すりを使う
7:脚立やイスなど不安定なところに登らない
8:動きやすいように、ムダな脂肪を燃やす
1つずつ解説していきます。
1:つまづかないために、足腰の筋肉を鍛える
筋力が低下するとつまづきやすくなるだけでなく、つまづいたあとに転ばないように踏ん張れなくなります。足腰の筋肉とは具体的に大腿四頭筋、ハムストリング、腸腰筋、臀筋、腹筋、脊柱起立筋など。スクワットをするとほぼすべての筋肉を鍛えられるので、筋肉の名前は気にしなくて大丈夫です。
足を上げる働きをする腸腰筋はスクワットでは鍛えられないので、階段上りをおすすめします。駅の階段のような段差が低いものよりも、神社仏閣の階段のような段差が高いものがより効果的。
負荷の低いウォーキングでは足腰の筋肉を十分に鍛えられないので注意してください。太ももを高く上げて早歩きなら鍛えられなくもないですが、実際にそんなことをすると不自然です。ウォーキングの目的は心肺機能の向上やエネルギー消費にして、筋力アップはスクワットや階段昇降に任せましょう。
2:転ばないように、股関節を柔軟にする
ストレッチをして股関節の柔軟性を上げておくと、つまづいたときに足が前に出て踏ん張ることができます。股関節が固まっているとそのまま倒れてしまうでしょう。もちろん足腰の筋肉が弱っていると踏ん張れなくて倒れます。
ここでも重要なのが腸腰筋。太ももを引き上げる筋肉です。腸腰筋のストレッチは自宅で簡単にできます。ストレッチ方法は次の写真を参考にしてください。
壁に手をついてバランスを安定させたら、
膝を曲げる。
足を手で掴み引き上げることで
腸腰筋が伸びます。
30秒×1セット
筋肉の伸びが足りないと感じたら、
状態を反らす。
下腹部の筋肉も同時に伸ばせる方法です。
つまづいたとしても、足が前に出て踏ん張れれば転びません。ストレッチを習慣化するのは面倒だと感じるかもしれませんが、固まった筋肉が伸びると体が軽くスッキリするので試してみてください。無理に痛いところまで伸ばす必要はないのですが、毎日くり返すのが大切です。
3:歩きやすく、すべりにくいスニーカーを履く
靴底が滑りやすいサンダルや足元が不安定になるヒールではなくスニーカーを履くことで転ぶリスクを下げられます。60代からのスニーカー選びのポイントは次の通り。
サイズがピッタリ
つま先の部分が少し上向いている
靴紐でフィット感を調整できる
クッション性が優れている
アーチがしっかりと支えられている
靴底の素材が滑りにくい
靴底の凹凸がたくさんある
以上のポイントを抑えておくと転ぶリスクが下がります。アーチとは足裏の真ん中の内側。この部分にしっかりとしたサポートがないと偏平足になってしまいます。足の型を取ったとしたらまっ平らな状態です。
ウォーキング専門店で買う必要はありませんが、自分にぴったりのスニーカーが見つけやすいかもしれません。ネット注文するのではなく、必ず店頭で試着するようにしてください。試着しても何日か履いてみないと本当に合っているかは分からないものですが、しないよりマシです。
4:転ばないように、常に注意しながら歩く
転ばないために一番大切なのは注意力。他のことに気を取られて、足元のでっぱりや段差に気づかないで転んでしまうケースは多々あります。スマホ歩きは間違いなく転倒のリスクを跳ね上げます。マナーとしてやっていないと思いますが、念のため注意喚起しました。
雨で道が濡れているときは特に注意してください。マンホールやタイル張りの床などは非常に滑りやすく、滑ってしまったら踏ん張ることはできません。また靴底が濡れていると屋内でも滑ります。お出かけをする際はいつも以上に足元に気をつけましょう。
5:両手に荷物を持たない
両手がふさがっているとつまづいた時の転倒リスクが上がります。とっさに両手から荷物を離して踏みとどまったり、受け身をとってケガを避けることはまずできません。大抵の場合は転びそうになったら反射的に荷物を離さないようにしてそのまま前に転びます。
片手を空けておくために肩掛けのバッグやリュックを使うだけでも転倒リスクが下がります。また、犬の散歩で片手にリード、もう一方にペットボトルを持つケースがありますが、片手は空けておきましょう。ペットボトルは腰掛のバッグなどを利用してください。
出先で荷物が増えた場合は配送サービスを利用したり、車移動などが安心です。
6:遠慮なく手すりを使う
予期せぬ場面で足を取られることは珍しくありません。こんなところでは転ばないと考えていても、転んでしまうことがあります。
自宅の階段で転倒してケガする人は多いです。雨の日で荷物が濡れて水滴がおちていたとか、寝起きで頭がぼんやりしていたとか。駅の階段なら人にぶつかられてバランスを崩すことがあります。また急いでいて足を踏み外すことがあるかもしれません。
出先では手すりを遠慮なく使うようにして、筋肉をつけるためにできればエレベーターやエスカレーターに頼らないようにしましょう。足腰が弱ってしまうとどんなに気をつけていても転びます。手すりで転倒のリスクを下げつつ、階段を上って足腰の筋力を強くしてください。
7:脚立やイスなど不安定なところに登らない
60歳を過ぎるとどんなにトレーニングをしていても、若い頃と比べてバランスがとれなくなります。脚立などを使って作業をするのであれば、目を閉じて片足で30秒立っていられるぐらいのバランス能力が必要です。
高いところに手が届かないのであれば手伝ってもらう。高いところに物を置かないように片づける。できることはいくらでもあります。当たり前ですが、高いところからひっくり返るとケガをします。打撲ならラッキーですが、骨粗しょう症なら間違いなく骨折してしまうでしょう。
8:動きやすいように、ムダな脂肪を燃やす
余計な脂肪が増えるほど体は重くなり、動きにくくなってしまいます。特に下腹部に脂肪がつき過ぎると足が上がりにくくなり、つまづくと転倒します。
脂肪を燃焼させるために大切なのは食生活の改善と運動の習慣化。この2つを上手に組み合わせることで余計な脂肪を燃焼できます。過度な脂肪は生活習慣病のリスクを上げるので、できればないほうがいいと思いませんか?
私が勧めている健康的なダイエット方法は、『60代からのダイエット』を参考にしてください。体に大きなストレスをかけないことで、痩せた後のリバウンドを予防します。すぐに結果が出るものではありませんが、続けるのが苦手な方でも無理なく続けられるようになっています。
60代以上の方が転んでしまった時のリスク
あなたは転んでしまった時のリスクを考えたことはありますか?家族や友人が転倒してケガでもしていない限り考えたことはないかもしれませんが、リスクを知ると予防に力を入れたくなるので参考にしてください。
転んでしまった後にどうなるのか?60代以上でケガをしないのはラッキーなのです。実際に起こりうる3つの典型的な例を紹介します。
1:利き手を骨折して、生活が不便になる
2:肩関節を痛めて、手が上がらなくなる
3:大腿骨を骨折して、手術→入院になる
また、1つずつ解説していきます。
1:利き手を骨折して、生活が不便になる
転ぶときは利き手を何よりも先につきます。そうすると、手首を骨折(ひび)してしまうでしょう。これは年齢や骨粗しょう症に限らず、頻繁に起こることです。
利き手が使えなくなると、私生活に支障が出ませんか?料理や洗濯するのも大変ですし、パソコンを使って仕事するのもままなりません。また、重いものを持つことが難しくなります。
手術する必要はなく、1~2ヶ月ほど安静にするだけで回復します。転倒によるケガの中では軽症かもしれません。転びたくないと考えて家にこもっていると足腰の筋肉が弱って、以前よりも転倒するリスクが上がります。
2:肩関節を痛めて、手が上がらなくなる
もし、転んで肩から落ちたなら肩関節を痛める可能性が高いです。打撲だけでなく筋や靭帯を損傷することがあり、骨折をしなくても手が上がらなくなることがあります。四十肩を経験したことはありませんか?肩関節を痛めると四十肩と似たような症状になるので、手首の骨折と同様に私生活に支障が出ます。
脚立やイスなどに上がって高いところで作業すると肩から落ちるので、特別な用事がないのであれば高いところでの作業をしないようにしましょう。
損傷具合によりますが、肩が完全に回復するまでには3~12ヶ月かかります。まったく肩を動かせないことはありませんが、ひねったりすると痛みが走ります。たとえば、後ろに手を回したり、雑巾がけをするときみたいに手を斜めに伸ばしたり。それに、ちゃんとリハビリをしないと痛みがなくなった後も可動域が制限されることも…
3:大腿骨を骨折して、手術→入院になる
最悪のケースで骨粗しょう症の人に多く見られるのが大腿骨の骨折。歩けるように手術です。ボルトで骨を固定するのが一般的な手術内容です。歩けるようになるまで入院してリハビリ生活になることを覚悟してください。
ちなみに私の祖母は80代で家のリビングで転倒。手術→リハビリで歩けるようになって退院できました。が、再び家で転倒。反対側の大腿骨を骨折してしまい手術。またまたリハビリで歩けるようになって帰宅しました。
幸い、認知症になることはありませんでしたが体はかなり衰えました。骨折や入院生活をきっかけに認知症になる、進むことは珍しくありません。痛い思いをして、どんどん体が衰える…そうならないためにも転ばないための対策は大切ですね。
まとめ
転ばないためにできることはたくさんあり、気軽に始められます。
紹介した具体的な対策は、
1:つまづかないために、足腰の筋肉を鍛える
2:転ばないように、股関節を柔軟にする
3:歩きやすく、すべりにくいスニーカーを履く
4:転ばないように、常に注意しながら歩く
5:両手に荷物を持たない
6:遠慮なく手すりを使う
7:脚立やイスなど不安定なところに登らない
8:動きやすいように、ムダな脂肪を燃やす
骨粗しょう症の人は転倒すると骨折をする確率が高いので気をつけてください。骨密度を下げない治療も有効ですが、それよりも転ばないための努力です。骨折のリスクを激減させられます。
足腰を鍛えると、つまづいても踏ん張れるようになるので、筋トレを習慣化しませんか?無理なくできることからで構いません。運動が苦手でも階段を上がることはできるはずです。衰える体をそのまま放っておきますか?足腰を鍛えて、転倒の不安を解消しますか( `ー´)ノ?
グリーンベア プライベートジム
自由が丘でただ1つの40~60代専門の
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